夕刻、茜空、カラス。


ゆっくりゆっくり流れる時間を沈んでゆく紅の陽と共に過ごしている。

天の頂には、うっすらと輝く小さな光。

そらいろの空は茜色へと変わり、僕等の足は家路へと向かっていく。

白のカッターシャツを身に纏い、往路を東へと戻る学生。



夕焼けこやけで日が暮れて、のフレーズを口ずさみ、

透明な水が流れていく溝の外側を歩く。

周りには青々しく茂った夏草と、山状にならされている土色。



もうすぐ夜がきて、あと何ヶ月か経てば秋がやってくる。

二重に輪廻しつづける世界のほんの一部分、そこに立っていられるんだという実感が明日への小さな希望なんだと、ふと思った。

また明日には、空いっぱいに広がるそらいろと、その間を浮遊する白色がその場所にきっと、ある。

空がそう在りつづける限り、明日を精一杯生きようとしてみたい。



明日には、明日の風が吹き、明日には、明日の僕がいる。

割り切れはしないだろうけども、また明日を頑張れば、それでいいんだよ。

そう思ったとき、柔らかな山風がそっと僕の後ろから吹き抜けていった。